マーケティングという言葉を知っていても、マーケティングを実際に学び、普段の仕事に活かすことができている人はほとんどいません。
マーケティングと聞いてどのようなイメージを思い描くでしょうか。
市場調査、顧客ニーズの把握、営業スキル、などなど。。。
どれも正解ですが、マーケティングは営業や販売領域だけのスキルではありません。
マーケティングの知識があれば、どんな部署にいても活躍できることをこの本では教えてくれます。
私が本書で学んだことを紹介し、普段の仕事でどのように活かしていくのかを解説したいと思います。
マーケティングとは戦う場所を決めること
ビジネスでは人もお金も限りがあります。
ヒト、モノ、カネ、情報、時間という経営資源が有限である以上、できることは限られてしまいます。
限られた経営資源をどう使うのか、それを考えるのがマーケティングです。
マーケティングは『どう戦うのか』というHowの部分も大事ですが、それ以上に『どこで戦うのか』というWhereの部分が重要です。
ビジネスではリソースを割く部分を見きわめなければなりません。
これは企業だけでなく、個人に当てはめても同じことがいえます。
会社では様々な業務がありますが、人それぞれに得手不得手があり、また、時間も限られています。
そのため、日々優先順位をつけて仕事を進めていかなければなりません。
自分の強みを発揮できる仕事、重要な仕事に自分のリソースを集中投下することが大事です。
マーケティングとは消費者視点で物事を考えること
便利で快適な商品は人々の生活を豊かにしてくれます。
しかし、便利な商品なら何でも売れるわけではなく、消費者のニーズを満たしたものでなければなりません。
例えば車の場合、コスパ・燃費の良さを最重要視する人もいれば、燃費は悪くともおしゃれでカッコいい車を購入したいという人がいるように、ニーズは人ぞれぞれです。
つまり、自分がいいと思っている商品でも、消費者のニーズに合わなければ価値がないのと同じです。
個人の仕事も同様で、例えば自分が良かれと思って作成した資料も、相手が必要と感じてくれなければその資料は何の役にも立ちません。
相手が何を求めているのか、消費者(職場なら上司や同僚を指す)のニーズを理解することが大事です。
マーケティングとは作ったものを売るのではなく、売れるものを作ること
良いものを作れば自然と売れると思うかもしれませんが、それは間違いです。
売れる商品を作るためには、何が売れるかではなく、これなら売れるというものを考えなければなりません。
個人の仕事も同じです。
例えば、デザイン性の高いプレゼンスライドを作っても、求められているものがシンプルさであれば、その資料は評価されません。
求められているものが何か、リサーチや事前準備を念入りにすることが重要です。
マーケティングの本質
マーケティングの本質は、売れる仕組みを作ることです。
具体的には、以下3つの手段をおこなえば売れる仕組みを構築できます。
ブランディングで消費者の頭の中を制する
ブランディングとは、消費者に商品の魅力を知ってもらい、購入への動機づけをすることです。
認知率を高めることで、消費者は自然とそのブランドの商品を手にとるようになります。
これを普段の仕事に置き換えると、日々の仕事で信頼を積み重ねることが重要になります。
買う場所を制する
例えばスーパーやドラッグストアにおいて、該当の商品を特売コーナーに置くのか、売り場の隅に置くのかで売れ行きは大きく変わってきます。
人の目にとまる場所にいることがポイントです。
普段の仕事に置き換える場合、花形部署にいると有利ということになります。
しかし、部署が選べない場合は、部を跨いだプロジェクトなど、大きな仕事でどうやって目立つかということを考える必要があります。
商品の使用体験を制する
トライアル、口コミ、リピートなどにより実際に商品を体験してもらうことで、納得感と安心感を抱いてもらうことができます。
普段の仕事に置き換えると、僅かな時間でどれだけ接点を見つけて、自分という存在を印象付けるかがポイントです。
スピードや行動力が求められます。
戦略的思考を理解する
マーケティングをより理解するためには、戦略的思考を学ぶことが必要です。
戦略的思考は仕事にも大いに活かせるスキルです。
戦略とは目的を達成するためにリソースをどう配分するのか、さらに分解していくことにあります。
選択と集中、優先順位付けをすることが戦略を考える上での第一歩です。
戦略的に考えるために必要なこと
戦略的に(リソースをどう配分するか)考えるために必要なことは、目的と目標、戦略と戦術の中身と違いを理解することです。
そうすることで、戦略の全体像から具体的な実行計画までを網羅的にブレークダウンできます。
目的、目標、戦略、戦術について、某有名なRPGゲームを例にして解説します。
目的=達成したいこと
まずは目的を明確にすることです。
目的と目標は同じようで全く違います。
RPGに例えると、目的は世界を平和にすることです。
目標=達成に必要なこと
目的を定めた後は、目標の設定です。
目的(世界平和)を成すためにはどうすればいいのか、達成すべきことを定めたのが目標です。
RPGでいえば、世界平和のために大魔王を討伐することが目標となります。
戦略=リソースの配分
次に戦略を決めます。
先にも述べたように、戦略とは限りあるリソースをどこに投じるかを決めることです。
RPGでの戦略は、大魔王討伐のためにバランスの取れたパーティ編成を決めることです。
冒険で出会う仲間を全員連れて行くことはできません。
仲間というリソースをどう使うか、これが戦略です。
戦術=具体案
最後に戦術です。
戦術は具体的な手段、HOWの部分に該当します。
RPGではパーティの技や特技の選択に該当します。
前衛の戦士、後衛の魔法使い、回復役の僧侶といった構成の中で、何の技や特技を習得させるのか、これが戦術に該当します。
マーケティング理論を自分ごとに置き換えて実践してみよう
この書籍は、企業のマーケティング部門にいる方向けに書かれた内容でした。
しかし、この書籍で紹介されているノウハウはマーケティングとは全く関係ない部門に所属する会社員にも大いに活用できます。
最後はRPGに例えて解説しましたが、自分の今の職場、役回り、仕事内容に当てはめてマーケティングと向き合ってみてください。
マーケティング理論を理解すれば、仕事の処理能力が格段に上がります。
より詳しく知りたい方は、ぜひ本を手に取ってみてください。
きっとあなたの役に立つ内容が書かれているはずです。
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