仕事に追われる日々の中、自分の時間を犠牲にしていると感じることはありませんか?
そんな中で広まっているのが『静かな退職』という働き方です。
静かな退職とは仕事に全力を注ぐのではなく、必要な範囲に抑えて働き、自分自身の時間や健康を大切にする考え方を指します。
職場での過剰な負担から解放され、バランスの取れた生活を目指すこのスタイルについて、本記事ではその意味やメリットとデメリット、向いている人の特徴などを実体験に沿って解説します。
仕事がしんどい、つらいと感じている方はぜひ読んでみてください。
静かな退職とは
静かな退職とは、仕事へのやりがいや熱意を抱かず、必要最低限の仕事だけをこなす働き方を指します。
がむしゃらに働くことを良しとせず、『仕事のために生きる』のではなく、『生活をするために最低限の労力で働く』といった考え方です。
リモートワークや柔軟な働き方が普及する中、ワークライフバランスが重要視され、職場で無謀な成果を求められることに対して反発する傾向が強まっています。
静かな退職は元々若年層世代を中心に広まりましたが、若年層世代に限らず30代・40代・50代などの中高年世代にも広がっています。
なお、静かな退職と似ている言葉に『サイレント退職』という言葉がありますが、その意味は全くの別物です。
サイレント退職とは何の前触れもなく突然会社を辞めることを指しますが、静かな退職とは実際に会社を辞めるわけではありません。
静かな退職を決めたキッカケ
当サイトを運営している私自身、静かな退職を行った経験があります。
私が静かな退職を実践した理由は、納得感のない異動により描いていたキャリアの実現が困難になり、仕事に対するモチベーションが低下したからです。
静かな退職を考えるキッカケは人それぞれですが、主に以下に記載した理由が想定されます。
- 能力や実績が正当に評価されない
- 地位や肩書を失った
- 不当な人事異動があった
- 人間関係に疲れた
- 仕事についていけない
- プライベートの時間がない
静かな退職はネガティブな理由から始まることがほとんどです。
静かな退職を実践した結果
私が静かな退職を実践したことで、労働環境やメンタル面でどのような変化が生じたのかを紹介します。
元々出世欲は少なからず持っていたため、仕事は率先して引き受けていたほうですが、静かな退職をしたことで仕事を抱え込むことがなくなりました。
また、競争環境から解放されることで、以前よりも穏やかな気持ちで仕事に向き合うことができるようになりました。
長く勤めていると会社への不満やキャリアの不安など、様々な悩みと直面します。
そんな時、静かな退職は焦りや不安を和らげる役割を果たします。
静かな退職はキャリアの選択肢が多い若年層ではなく、むしろキャリアの迷子になりやすい30代・40代・50代にこそ親和性のある新しいキャリアプランです。
静かな退職のメリット
静かな退職にはさまざまなメリットがあります。
静かな退職をすることで得られるメリットをまとめたので解説します。
気持ちにゆとりが生まれる
静かな退職は率先して仕事を引き受けることはしません。
業務量をできる限り抑えることで、重圧感や責任感から解放され気持ちに余裕が生まれます。
仕事を重たく受け止める必要がないため、『たかが仕事』と割り切った気持ちで取り組めるようになります。
時間に余裕ができる
仕事量を必要最低限にすることで時間に余裕ができます。
また、出世や人付き合いに無駄な労力を割く必要がなくなるため、本当は行きたくない飲み会やゴルフなどのお誘いも断る度胸が自然と身に付きます。
プライベート時間の確保、副業時間の確保など、自分が本当にやりたいことに時間を使うことができるようになります。
人生を見つめ直すキッカケになる
これまで真面目に仕事に向き合ってきた人ほど、静かな退職をすることで『今までの社会人生活は何だったのか』と虚無感を感じると思います。
しかし、それは自分を見つめ直すチャンスです。
キャリアの再検討、将来設計、子供の教育方針など、残りの人生をどう過ごすか、静かな退職はあなた自身を見つめ直すキッカケになります。
静かな退職のデメリット
静かな退職はメリットばかりではありません。
リスクや失うものも相応にありますので、メリットとデメリットを天秤にかける必要があります。
出世が遅れる、またはできない
最低限の労力で働く以上、必然的に頑張りが認められる機会は減ります。
会社からの評価は上がらず、同期や後輩よりも出世が遅くなる可能性は非常に高いです。
管理職への昇進は難しく、生涯平社員でいることの覚悟が必要です。
やりがいを持てない
静かな退職をすることは、仕事へのやりがいを持つ機会を失うことを意味します。
仕事のやりがいを感じられずにだらだらと働くことは、それだけ多くの時間を無駄に過ごすことになります。
時間が経つのが遅く感じる、成長の機会を失うなど、やりがいを持てないことはつらい部分も多いです。
評判、世間体が悪くなる
仕事をしない人は周囲にとって迷惑以外の何物でもありません。
同僚からの評判が悪くなる、同年代は管理職になっているのに自分だけ平社員でいるなど、周囲の冷たい目に耐えられるだけの肝っ玉がなければ精神的につらい思いを味わうことになります。
静かな退職が向いている人、向いていない人
解説したメリットとデメリットを踏まえ、静かな退職が向いている人と向いてない人の違いを解説します。
静かな退職が向いている人は以下のようなタイプです。
- 出世欲がなく、現状で満足している
- プライベートを重視したい
- 仕事に不満はあるが転職を考えるほどではない
- ストレス耐性が強い(周囲から冷たい目で見られても動じない)
上記に該当しない人は静かな退職は向いていません。
自身のキャリアを台無しにしないためにも、静かな退職を行うか否か、立ち居振る舞いは慎重に検討しましょう。
仕事がつらい人、仕事がつまらない人は静かな退職をしよう
静かな退職はサボっていると周囲から思われる可能性が高いです。
しかし、サボっているからといって簡単にクビになることはありません。
会社に所属さえしていれば意外と何とかなるものです。
この記事で最も伝えたいことは、会社はあなたを守ってはくれないということです。
静かな退職は否定的な意見が多いのも事実です。
しかし、満足な人生を歩むために静かな退職は働き方を見直すひとつのキッカケになります。
本記事があなたの働き方を見つめ直すキッカケになれば幸いです。
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