承認欲求という言葉をご存じでしょうか。
承認欲求はモチベーションの向上につながったり、コミュニケーションの潤滑油になったりと、様々なメリットがあるように思えます。
しかし、承認欲求を求めすぎるのは非常に危険です。
承認欲求が高すぎる人は労働力とやりがいを搾取されかねません。
この記事では承認欲求の危険性を解説し、働く上で持つべき心構えについて説明します。
承認欲求とは
承認欲求とは、周囲から認められたい、評価されたいという欲求のことです。
出世したい、偉くなりたいという社会的地位を求める気持ちも承認欲求から生じています。
子供でも親から褒められたいという気持ちがあるように、承認欲求は大なり小なり誰しもが持ち得ているものです。
承認欲求の原因
承認欲求はどのような状況下で発生するのか、承認欲求が高い人の特徴を解説します。
見栄っ張り
1つ目の特徴は見栄っ張りな人です。
見栄っ張りな人は周囲にカッコいいと思われたい、チヤホヤされたいといった意思を人一倍持っています。
このようなタイプは承認欲求が高い傾向にあります。
自己肯定感が低い
自己肯定感が低い人も承認欲求が高いです。
自己肯定感が低い人は周囲から認められることで自分の存在価値を見出そうとします。
そのため、他人の視線や評価を強く気にする傾向にあります。
他者との比較
周囲との比較をし過ぎる人も承認欲求が高いです。
同期への対抗意識や競争意識が強い人は、上司や周囲から評価されようとする意思が強い傾向にあります。
承認欲求は対人関係から生じる
承認欲求は他者からの評価を求めることで生じます。
つまり、承認欲求は全て対人関係が影響していることを意味します。
人間は本来自分の意思で行動するものです。
しかし、承認欲求が強い人は周囲の評価を求めるあまり他人に依存してしまい、実質的に他人に支配された状態にあるといえます。
承認欲求に付け入る会社
承認欲求があることは必ずしも悪いことではありません。
上司に評価されたい、出世したいという気持ちを持つことで、高い意欲を持って仕事に取り組むことができます。
しかし他人に評価されたいという気持ちが強すぎる人は、会社にとって都合の良いように使われる危険があります。
『やりがいの搾取』という言葉をご存知でしょうか?
やりがいの搾取とは仕事に対するやりがいを利用することで、会社が従業員に対して過剰な労働をさせることです。
承認欲求の強い人はこの心理を巧みに利用され、会社から労働力を搾取されてしまいます。
会社はどうやってやりがいの搾取をしてくるのか、具体例を紹介します。
以下のような発言が会社からある場合、やりがいの搾取をされていないか注意が必要です。
- 同期の〇〇が頑張ってるぞ
- お前には期待してるぞ
- 出世したいなら一つ上の視点で仕事に取り組め
このように期待しているような言葉をかけてきたり、競争心を煽るような発言には注意が必要です。
過剰な残業をしたり、役割以上の成果を追い求めてしまい、知らず知らずのうちに会社に利用されてしまいます。
会社には本来正当な評価指標があるはずです。
承認欲求につけ込まれて自分を酷使することのないよう、熱い言葉や甘い言葉には注意してください。
承認欲求の減らし方
他人に依存することを避けるためにも、過剰な承認欲求は抑制しなければなりません。
承認欲求をなくすことは意識の変革が必要になるため難しいです。
ただし、承認欲求を完全になくすことは難しくとも減らすことは可能です。
承認欲求を減らすためにはどうすればいいのか、具体的な方法を解説します。
自分が得意なこと、コントロールできることだけに集中する
人は誰しも得意なことと苦手なことがあります。
苦手を克服することも大事ですが、承認欲求を減らすためには自分が得意なこと、制御できることだけに集中することが大事です。
苦手なことに取り組むと仕事が思うように捗らず、自己嫌悪に陥ってしまいます。
それよりも得意なことに集中することで、承認欲求を求めなくとも満足度の向上や自己肯定感の維持につながります。
また、自分の意思でコントロールできない仕事は極力避けるべきです。
上司からの指示で仕方のない場合もありますが、自分の裁量の範囲で取り組める業務に集中できれば周囲に振り回されることはありません。
他人の課題に関与しない
他人への羨みや嫉妬は承認欲求を引き起こす要因です。
他人と関わるほどその影響を受けやすいため、関わらないことが基本的な対策になります。
会社という組織に所属する以上、最低限のマナーは持って然るべきですが、周囲のことは気にせず自分勝手に生きる勇気を持つことが承認欲求を抑えるコツです。
他人ではなく過去の自分と比較する
他人との競争は心身が疲弊するため即刻やめるべきです。
周囲に優秀な人がいる場合や、完璧主義の人は今の自分の力量に納得がいかない場合もあると思います。
その場合は、他人ではなく過去の自分と比べるようにしましょう。
業務スキルは日を重ねるごとに伸びていくものです。
半年前、一年前の自分と比べれば確実に成長していることを実感できるため、他人と比較するのはやめましょう。
承認欲求は悪である
会社には評価制度があり、それが役職や給料に直結するものである以上、承認欲求をゼロにすることは難しいです。
しかし、承認欲求を追い求めるあまりに他人に依存をしていては、自己肯定感を満たすことはできず、幸せになることはできません。
幸せになるためには、自分で考え自分で行動してこそ得られるものです。
承認欲求を減らし、会社から搾取される日常から解放されましょう。
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