出世したいという気持ちはある。
でもその感情に素直になれず、心のどこかでブレーキをかけてしまう。
そんな状態に陥っている人は少なくないと思います。
- 過去に努力してきたが報われなかった経験
- 評価される人の基準があいまいだったことへの不信感
- 出世することが自分にとって本当に幸せなのかという疑問
こうした複雑な思いが積み重なることで、人はいつしか「諦めた自分」を作り出してしまいます。
それでも、ふとした瞬間に「やっぱり出世したい」と思ってしまう。
その矛盾に向き合うことは、決して簡単なことではありません。
諦めの背景にある防衛的な感情
出世への意欲を自分の中で抑えることは、傷つくことへの予防線でもあります。
「どうせ自分には無理だ」
「ここで期待しても、また裏切られるだけだ」
そうやって最初から望まないふりをすることで、失望しないように心を守っているのです。
これはある意味で、正しい判断とも言えます。
組織の中では努力や能力だけではどうにもならない要素が存在することを、多くの人が知っています。
だからこそ、出世を望まないスタンスを取ることが、自己防衛として機能しているのです。
ただし、その防衛の裏側には「本当は認められたかった」という本音が潜んでいることも事実です。
自分の中にある諦めの構造を言語化する
気持ちが矛盾しているときは、まず「その構造」を自分で理解することが大切です。
【理想】出世して評価されたい
【現実】成果が正当に評価されなかった経験がある
【対応】自分を守るために、最初から期待しないようになった
このように、自分の中で起きている感情の流れを整理してみると、諦めは「怠慢」や「投げやり」ではなく、「戦略的撤退」だったのだと気づくことがあります。
その上で、「それでもまだ出世したい気持ちが残っている」ことに気づけたとき、ようやく次の選択肢が見えてきます。
気持ちを整理し、行動へ移すための視点
矛盾を抱えたままでは前に進めない。
そう感じるかもしれませんが、実は気持ちが定まらないままでも自分の習慣を変えられることはたくさんあります。
たとえば以下のような行動を起こすことです。
- 組織内の評価構造や基準を冷静に見直す
- 自分の強みを評価されやすい形に変換する
- 自分を必要としてくれる上司・部署を見極める
- 昇進のためではなく、自分の成長のために行動する
あくまでも出世を目指すのではなく、「今の自分が納得できる行動を選ぶ」ことから再スタートすることです。
それが、モヤモヤとした感情を解消していく一歩になります。
自分を許すことから再スタートを
本当は出世したい。
でも、期待しすぎて傷つきたくない。
その気持ちは、とても人間らしくて素直な反応です。
大切なのは、自分の感情を無理にコントロールしようとせず、その矛盾を「そんな自分もいて当然だ」と受け入れることです。
完璧に前向きでなくてもいい。
過去を引きずったままでもいい。
それでも、自分のペースで動き出すことはできるはずです。
焦らずに少しずつという意識で、諦めた自分に優しくなれるような働き方を見つけていくことが大事です。
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