新NISA制度が始まり、これまでにないペースで証券口座が開設され、投資信託に資金が流入しています。
相場も上昇基調にあり、投資を始めたばかりの人も利益が発生していると思います。
しかし、浮かれた気分になっている人は注意してください。
NISAは使い方を誤ると大きな損失を発生させる可能性があります。
この記事では、資産形成をする上でNISAとどのように付き合っていくべきなのか、注意点と心構えを解説したいと思います。
必ず儲かるわけではない
NISAとはそもそも何か。
NISAとは『少額投資非課税制度』です。
通常、株式や投資信託で利益が発生した場合、その利益に対して税金が発生します。
一方、NISAであれば利益が発生しても非課税で済みます。
つまり、NISAはあくまでも税制優遇の制度であり、それ以外の運用においては通常の株式や投資信託と同じです。
株式や投資信託は元本が保証されているものではありません。
メディアで取り上げられているから、流行ってるからという理由だけでNISAを始めてしまうと、損失が発生した時にパニックに陥ってしまう恐れがあります。
NISAの本質を見誤ることのないよう、注意が必要です。
シミュレーションデータは絵に描いた餅
金融機関のホームページ、投資系YouTuberの動画など、あちこちでNISAに関する情報を入手できる時代です。
その際、以下のような棒グラフのシミュレーションデータを目にしたことがあると思います。
月に3万積み立てて(図の青棒)、年利5%(図のオレンジ棒)で運用したら20年後には〇〇円になります、といった例です。
このようなシミュレーションを見ると、さもその結果が保証されているように感じてしまいますが、決してそんなことはありません。
期待通りに推移しないだけでなく、損失が発生する可能性は十分考慮しておきましょう。
長期・分散・積み立てが大原則
新NISAは年間360万円、最大で1800万まで非課税枠が設けられています。
そのためYouTubeやSNSなどでは、最短で非課税枠を使い切ることをおすすめしている人を見かけます。
今後も相場が堅調に推移するのであれば、それでいいのかもしれません。
しかし、下落した時のダメージは計り知れません。
個人投資家によるNISAの利用方法は、長期・分散・積み立てが鉄則です。
最短で非課税枠を埋めにいくことは、適正なリスク分散ができていないことになります。
非課税枠はコツコツと埋めていきましょう。
身の丈にあった資金の範囲で運用する
NISAは長期運用が鉄則であるとお伝えしました。
つまり、急な入用があった場合でも換金はしないほうがいいです。
将来に備え、あくまでも投資したお金はないものと思って日々の生活を送ることが成功のコツです。
まずは生活防衛費を貯めて、余裕がある範囲内での運用に留めておきましょう。
暴落しても解約してはいけない
誰も損などしたくないですが、株や投資信託には下落のタイミングが必ずどこかで訪れます。
しかし、既にお伝えしたように資産運用は長期運用が鉄則です。
暴落があると不安な気持ちになりますが、そこで解約をしてはいけません。
グッと堪えて我慢できるかどうかが重要です。
一喜一憂したり、小さなことを気にしているとメンタル的にしんどくなります。
周囲の声に惑わされてはいけない
他人の情報は参考程度に留めておく必要があります。
著名人やインフルエンサーはSNSで華々しい投稿をしています。
また、金融機関はNISAの勧誘ポスターやパンフレットなど、広告宣伝に力を入れています。
これらの情報を鵜呑みにしたり、真似をしてはいけません。
人には人のやり方があります。
思わぬ損失が発生しないよう、自分で投資の勉強をして防御力を高めておきましょう。
資産運用には強い意志が必要
- お金を注ぎ込んだらもっと儲かるかも
- 利益がでた、または損がでたからさっさと売ってしまおう
- あのYouTuberと同じように運用しよう
など、ついつい間違った運用をしかねない誘惑があなたの周りには潜んでいます。
投資は自己責任です。
強い意志と知識があなたを守ってくれます。
資産運用は自分のペースでおこなうことをおすすめします。
新NISAで注意すべき点については以下の記事でも紹介していますのでご参考ください。
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