楽天グループの2023年12月期連結決算が発表されました。
最終損益は3394億の赤字で、5年連続の最終赤字となりました。
このニュースを見て、楽天銀行や楽天証券の利用者は不安に感じたかもしれません。
楽天って潰れるの?
私のお金は大丈夫?
口座移管したほうがいい?
楽天経済圏は今後どうなる?
この記事ではそんな不安にお答えし、楽天ユーザーが今後取るべき行動について解説します。
赤字の原因は携帯事業
楽天はECサイトを中心に、銀行や証券など、様々な事業を展開しています。
その中で、今回の赤字の原因はズバリ、楽天モバイルです。
ECサイトや楽天銀行、楽天証券などは単体で見ると実は絶好調なのですが、グループ全体で見ると携帯事業が大きく足を引っ張っているという状況になっています。
あなたのお金は心配ない
楽天グループの赤字の原因はあくまでも携帯事業であり、ECサイト運営、銀行業や証券業は順調であり、経営面については全く問題のない状況です。
つまり、あなたが預けているお金について心配する必要はありません。
ちなみにですが、仮に経営上問題があったとしても、銀行と証券会社のお金は保全される仕組みになっています。
ここでその仕組みについて少し触れておきたいと思います。
銀行の仕組み
楽天銀行に限らず、銀行預金にはペイオフという制度があります。
ペイオフとは、銀行が破綻した場合に預金者を保護する制度です。
この制度により、普通預金や定期預金は1000万円までと、その利息分については払い戻しが保証されています。
預金残高が1000万円を超えている場合は別ですが、1000万円未満であれば仮に銀行の経営面に不安があっても過度に心配することはありません。
証券会社の仕組み
証券会社は銀行と異なり、預入額の全額が保証されています。
その理由は、顧客から預かっている資産は会社の資産と切り分けて管理をしているからです。
例えば銀行に預金をしている場合、その預金は融資などの銀行業務に利用されています。
銀行は融資による金利収入が入り、その一部が預金者に還元されるという仕組みです。
一方、証券会社の収益源は、株式などを売買する際の手数料です。
つまり、直接顧客のお金を使って業務をおこなうことをしません。
そのため、仮に証券会社が破綻した場合でも、資産は全額保証されるという仕組みになっています。
楽天経済圏の今後の見通し
楽天銀行や楽天証券を利用するにあたり、特に心配ないということをご理解いただけたでしょうか。
しかし、明るい話ばかりではありません。
楽天には楽天ポイントの還元サービスが多くあります。
ここ最近でもポイント還元について改悪が続いていますが、引き続きこの傾向は続くと予想されます。
楽天銀行や楽天証券のユーザーは、楽天経済圏を積極的に活用しているはずです。
銀行業や証券業が堅調とはいっても、グループで赤字になっている以上、どこかでお金の工面をしなければなりません。
これまで太っ腹な対応をしてきたポイント還元サービスですが、今後縮小していくことは避けられない運命だと考えられます。
楽天モバイルの利用について
楽天ユーザーの方は、キャリアについても楽天モバイルを利用している方が多いと思います。
楽天モバイルはグループを赤字にしている諸悪の根源ですが、今後の見通しについて悪い話ばかりではありません。
- 契約者数は増加傾向にあること
- 自社回線用の基地局建設が進んでおり、通信環境が改善傾向にあること
- プラチナバンドを獲得したこと(更なる通信環境の改善)
以上のことから、今後は赤字幅が減少していく可能性が十分に考えられます。
また、楽天経済圏を使う場合は、楽天モバイルの利用有無によってポイント還元率が大きく変わります。
楽天経済圏を今後も積極的に使う予定の場合、楽天モバイルの利用は必須です。
それでも不安な人が取るべき対策
一部サービスの改悪は予想されますが、楽天での預貯金や資産運用、モバイルの利用について不安要素はほとんどないことをご理解いただけたと思います。
しかし、ここまでの内容をご覧になっても、漠然とした不安が拭えないという方はいるかもしれません。
そのような方に対し、不安を軽減するために取るべき対応策を紹介したいと思います。
銀行預金を分散
銀行にはペイオフという仕組みがあることを解説しました。
1000万円までは心配ないという反面、逆に言えば1000万までしか保証してくれない可能性があるということです。
もし預金残高が1000万円を超えている場合は、銀行預金を複数に分散しておくことをおすすめします。
その他ネット銀行、メガバンク、ゆうちょ、地元の地銀や信金など、自分にとって都合のいい金融機関を選択するといいでしょう。
証券口座を複数開設
銀行と同様、証券口座も複数開設することをおすすめします。
銀行と違いペイオフ制度はありませんが、取り扱っている商品は証券会社によって差があることから、選択肢を増やすという観点ではアリです。
新たな経済圏を探す
ドコモ経済圏、au経済圏、PayPay経済圏など、楽天経済圏以外の経済圏がシェアを拡大しています。
各社それぞれがポイント還元サービスをおこなっているため、サービス内容次第であれば経済圏の乗り換えを検討することをおすすめします。
ただし、その場合は携帯キャリアもセットで見直しが必要です。
ドコモ経済圏はドコモ、au経済圏はau、PayPay経済圏をメインにするならソフトバンクに切り替えるなど、経済圏と携帯のキャリアはセットにしてこそ最大限のサービスを享受できます。
キャリアを見直すことの手間暇を鑑みた判断が必要です。
リスク分散を図る
楽天であろうとなかろうと、また、経営状況が良かろうと悪かろうと、リスク分散を図ることはとてもいいことです。
リスク分散の考え方は、よく卵を使って例えられます。
10個の卵を1つの袋に入れていた場合、その袋を落としたら全ての卵が割れてしまいます。
一方、10個の卵を2つの袋に入れていた場合、片方の袋を落としても、もう片方の袋に入れた卵が割れることはありません。
世の中何が起こるかわからない時代です。
今回の記事で楽天銀行や楽天証券、楽天経済圏を使うことに不安はないことを解説しましたが、リスク分散をしておくに越したことはないかもしれません。
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